火傷などの治療に使用されている
人間の全身を覆う皮膚には、様々な働きがあります。
呼吸、水分や体温の調節、体の保護、感覚、皮膚再生能。
こんなにも大きな役割を持っている皮膚は、重要な臓器と言えるでしょう。
実際、皮膚の表面積の4割程度を失うと、命にかかわると言われています。
そのため、皮膚を人工的に作る人工皮膚は非常に難しいものとされてきました。
1970年代には既に研究が始まっていましたが、現代でも人工皮膚の
研究、開発は引き続き行われています。
そんな中、注目されたのがキチンキトサンです。
1990年、サハリンで少年が大火傷を負い、札幌の病院に
搬送されるという出来事がありました。
その際、使用されたのが「ベスキチン」というキチンキトサンが
配合された人工皮膚なのです。
従来の皮膚治療では、近親者の皮膚を移植する。
患者自身の周囲の皮膚を引き伸ばして、縫いつけるなどの処置が施されていました。
しかしこの方法では、治療に時間がかかってしまいます。
定着しないこともあり、感染症にかかる確率も高くなってしまうため、
以前から問題点が多いものとされてきました。
その点、キチンキトサンは鎮痛効果、止血効果、殺菌効果に優れ、
やけどの治りを早くする効果があります。
また、生体親和性が高いので、定着しやすいとされています。
炎症を抑制する働きもあるので、何より心配される感染症を防ぐ効果もあるのです。
新たな人工皮膚として注目されているキチンキトサンには、
今後、更なる研究、開発が期待されています。